
――キラリと光る表現ができる子どもたち。
彼らと話をしてみると、やはり「体験」の量が多いのです。――
「子どもに豊かな語彙力を」。
そう願うとき、どんなアプローチが思い浮かびますか。
読書、ニュースを観る、会話を増やす…。
どれも正解ですが、今日はぜひおすすめしたい方法があります。
それは、より多くの「体験」をさせてあげること。
特に0歳~小学生のお子さんには、効果抜群!
匂い・音・感触・味・色合い。
映像や図鑑などでは気付くことのできない、様々な情報が五感を刺激してくれます。
そして、それらの「感覚」が言葉の力を育むために重要なのです。
「体験」といっても、そんなに難しいものじゃなくて大丈夫。
季節を楽しめるような遊びも素敵ですね。


さて、今回のタイトルは「" 体験 "は言葉の土台」。
私は今年で講師歴15年目となり、
今まで1400人を超える子ども達と関わってきました。
作文や小論文、自己推薦書などの添削も毎日のように行っています。
タブレット等の普及の影響もあるのか、年々「書くこと」に苦手意識を持っているお子さんが多くなっているように感じるのですが、そんな中でもキラリと光る表現ができる子と出会うことが。
彼らと話をしてみると、やはり「体験」の量が多いのです。
「体験」を積むことの表現面における1番のメリットは、 体感することによって「実際に使える言葉」が増えるという点だと思っています。
子ども達に教えていると、言葉自体は知っていても実際には使えない子が多いということが多々あります。
例えば、「きらびやか」「か細い」などの言葉。
聞いたこともあるし辞書的な意味も知ってはいるのに、なぜかその子が書く文章には出てこない。こうした生徒さんによく出会います。
これは、自分の知識と感覚が結びついていないからなんですね。
知ってはいるけれど、どんな場面で使えばよいか分からない。
言葉を実感できていない、とも言えると思います。
きらびやか。
お祭りに出向いて周りを見回し、色とりどりの華やかな浴衣を目にしているとき「きらびやかな浴衣姿だね~。」なんて声をかけてあげれば、子ども達は「ああ、これが “きらびやか” なんだ。」と感覚として言葉を獲得することができます。
地味な取り組みなのですが、ちょっと背伸びするような語彙を「体験」と結び付けてあげると言葉の力は飛躍的にアップします。
ーーー「感覚」と言葉を結び付けてあげるコツーーー
ポイントは、
① 子ども自身の言葉は否定しない
② 足りない言葉をプラスして返してあげるイメージ
(例)
■「赤いね!」→「本当だ!炎のように真っ赤だね。」
■「冷たいね。」→「ね!きんきんに冷えていて手がちぎれそう~。」
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こうすることで感覚が言葉と結びついて「生きた言葉」、つまり「実感を伴って自由に使いこなせる言葉」になっていくのです。
身の周りの小さな「体験」を大人も子どもも楽しみながら、豊かな言葉の土台を育んでいくのはいかがでしょうか。
2024.7.31 Lisa
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